文献詳細
臨床研究
手術前後に於ける切創部皮膚pH値の変動について
著者: 飯田茂樹1 清水藤男1 三尾衛1 青山廉平1 北村隆1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.175 - P.178
文献概要
皮膚は外界に対する生体の外被として,外界からの傷害に対する防禦作用をなすのみならず,液体性内部環境の界として重要な機能を有する他,病原体に対する防禦機能等,種々の複雑な機能を有している。これ等の複雑な機能を解明すべく,種々な観点から多くの検索がなされているも,皮膚pH値の測定に関しては,Heuss (1892)のLachmus,phenolphtaleinを利用した比色法が該測定法の嚆矢である。その後Schade (1921)は検電的皮膚pH測定法を案出し,今日に於いてはBlauk (1938)の「ガラス」膜電極法に依る検電的測定法が専ら使用され,本法に依る健常人皮膚pH値は4.0〜7.0(Blauk),5.0〜6.0(Koch,Schmidt)と報ぜられている。又Klau—der,Anderson,Jacobi,Schmidt,等も皮膚pH値を検電的に測定し,特にAndersonは健常人皮膚pH値並び各種病変部皮膚pH値を測定し,又Jacobiは石鹸,Cleansing Cream使用前後の皮膚pH値の時間的変動の検索より「アルカリ」性化粧品の使用に対して警告を発している。
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