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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻4号

1961年04月発行

文献概要

薬剤の臨床

Tetracycline-Nystatin (Achrostatin Ⅴ)の効果主として真菌出現予防について

著者: 水野重光1 吉元昭治1 於保英彦1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.319 - P.322

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 抗生物質は各種感染症に対し顕著な効果を発揮しつつあるが,一方において臨床応用の普及に伴い種々の事故ないし欠点も発揮するに至つた。菌交代現象に関連する真菌症,ことにCandida albicansの増殖によるカンジダ症の発生も抗生物質療法に伴う障害の一つである。カンジダ症の発生にはCandidaの出現が先行するか或いは既に潜在せるCandidaの繁殖,症状発現への発展があるわけであるが,Candidaが出現しても必ずカンジダ症症状を呈するわけではない。しかし身体の条件如何(重症患者,虚弱者,手術後,妊婦など)によつては,大量,長期間に亙る投与はカンジダ症症状を誘発するおそれなしとしない。従つて大量投与,ことに広領域抗生物質の長期投与の際には常に真菌出現を念頭に入れておく必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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