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実験的研究
悪性腫瘍の化学療法におけるChromomycinの臨床的並びに実験的研究
著者: 石原実1 川島吉良1 内田正1 井箆重彦1 中塚勉1 加藤和子1
所属機関: 1名古屋大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.413 - P.418
文献購入ページに移動われわれは抗癌性抗生物質Chromomycinによる癌治療に関する基礎的並びに産婦人科領域に於ける臨床的研究を行ないその有効性を追求した。婦人科領域に於ける本剤を使用した報告は藤森教授等以外には全くみない。即ち彼等はエールリッヒ腹水癌,マウス乳癌,ヒラ細胞等に対して制癌効果を認め,又臨床実験に於いても自覚症状の好転,局所所見の改善等を認めている。
一般に抗癌物質の臨床効果の判定はその時期及び基準が難しい為不確実になり,それに子宮癌の治癒判定は一応5年を以つて治癒成績を云々せねばならないが,このChromomycinが悪性腫瘍患者の病状に如何なる変化を与えたかChromo—mycin治療終了短時日後であるが観察検討し,一般の状態の改善,自他覚症状及びその他の検査,就中血液カタラーゼ活性度の改善を以つて効果の判定基準とし,ここに報告することは意義あることであると思う。
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