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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻5号

1961年05月発行

薬剤の臨床

エシドレックスの妊娠中毒症に対する使用経験

著者: 中村正六1 鈴木孝1 松井一郎1 塩井忠昭1 青木寿一1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.429 - P.431

文献概要

Ⅰ.緒言
 妊娠中毒症は妊娠中の最も警戒すべき疾患であり,その治療法も極めて多数実施されている。古くは減塩食,無塩食,安静が絶対的なものとされ,現在尚行われているが,塩気のない食餌程,味気ないものはなく,そのため充分な栄養もとることが出来ず,分娩時に疲労して,分娩時間が延長し,母子共に危険度が増すばかりでなく,その様に我慢したにも関らず,一向に好転せず,子癇を起して遂には一命をも失うこともある。われわれ産科医は,常に妊婦の血圧,尿蛋白,下腿浮腫に気をつけ,かかる危険を防止している。
 最近化学的にサルファ剤系統に属する化合物で,6—クロロ−7—スルファミル−4—ジヒドロ−1,2,4—ベンゾチアジアジン−1,1—ジオキシドの構造を有し,一般名をヒドロクロロチアジッドと称する薬品がチバ製品より製品名「エシドレックスESIDREX」として発売せられ,それを妊娠中毒症に試用する機会を得て,著効を得たのでこれを報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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