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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻6号

1961年06月発行

薬剤の臨床

妊娠中毒症に対するChlorthalidone ("Hygroton")の治験

著者: 山下徹1 山崎正義1 山田吉兵意1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.539 - P.541

文献概要

Ⅰ.緒言
 近年芳香族スルフォンアミド系の薬物が強力な利尿作用を有することが知られて以来,数多くの同系統薬物が登場している。特に1957年にChlo—rothiazideが利尿作用の外に血圧降下作用を有することが認められてから,妊娠中毒症の主要症状である浮腫及び高血圧の治療に盛んに臨床応用され,同時により改良された同系薬剤の基礎的及び臨床的検討が進められて来ている。
 最近,スイスGeigy研究所に於いて合成された新スルフォンアミド系経口利尿剤であるHyg—rotonはPhthalimidine核を有する点で,従来のスルフォンアミド系利尿剤と全く異なつた化学構造を有している。本剤はLD50=5g/kgで毒性極めて少なく,臨床的にも強力な塩利尿作用及び緩徐な血圧降下作用が認められて居り,更にK排泄作用が比較的少いこと及び他剤に比較して効果持続時間が長いことを特徴とするとされている。今回,著者等は藤沢薬品より本剤の提供をうけ,妊娠中毒症患者に投与して若干の治験を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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