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薬剤の臨床
N—(5—Nitro−2—furfurylidene)−1—aminohydantin (Furadantin)の使用経験
著者: 一宮勝也1 田中暎雄1 岡吉弥1 高橋葉子1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.605 - P.607
文献購入ページに移動近年の新しいサルファ剤や抗生物質の出現は細菌性疾患の治療をかなり容易なものとした。しかし,これらの薬剤の乱用や,素人の未熟な使用から耐性菌の出現がみられ,治療に大いな困難をもたらして来ていることも事実である。
1944年にDodd及びStillmanによつて発見されたニトロフロンの抗菌作用はNitrofurazone及びNitrofurfuryl Methyletherとして利用されてきたが,更に安定性及び広い抗菌性と耐性菌発現度の低い点で優れたN—(5—Nitro−2—furfuryli—dene)−1—aminohydantoin (Furadantin)が発見された。本剤はMintzer他(1953)の基礎的研究やAbrams他(1954)及びNesbitt他(1957)の臨床的研究によつて示されているように尿路感染症に対して著しい効果を認められて居り,Twiss他(1956)によつて胆汁排泄の知見から胆管感染症にも著効を呈することも知られている。
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