icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻7号

1961年07月発行

文献概要

薬剤の臨床

正常褥婦の便通に及ぼすマロゲン錠の影響について—附:褥婦の便秘に対する処置

著者: 河辺昌伍1 伊藤淳一1

所属機関: 1新潟鉄道病院産婦人科

ページ範囲:P.633 - P.635

文献購入ページに移動
Ⅰ.緒言
 婦人は一般に便秘の傾向があり,その原因としては習慣的な排便抑制や運動不足があげられ,分類上,緊張減退性或いは弛緩性便秘に属するものである,褥婦は,分娩後一定期間の安静乃至は運動不足を余儀なくされ,又腹壁の弛緩は高度となり,弛緩性便秘は一層著明となる。加えて分娩後悪化した痔核の疼痛,脱肛等によつて排便抑制も増加する。
 Ph.Jungは褥婦の消化機能は決して減退しないといつているが,これは疑わしい。即ち,分娩中又は産褥初期には屡々食慾なく,欠食をするか或いは極少量の摂取に過ぎないものもあり,又消化不良性食品を摂取することによつて,胃痛や下痢を来すものがある所より見ると,或る程度の消化系統の機能の減退がうかがえる。殊に分娩が遷延して睡眠不足を来したものや,精神的肉体的に疲労困憊したものはそれが顕著である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?