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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻8号

1961年08月発行

薬剤の臨床

新生児及び未熟児に対するNor-androstenolone-phenylpropionate (Durabolin)の使用経験

著者: 梅内正利1 佐々木達1 瀬尾道次1 横山稔1 渡辺光広1 落合寛1 金子宜淳1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.669 - P.672

文献概要

緒言
 近年我が国に於ける新生児の死亡率は著しく改善され欧米諸国におけるそれに近づきつつある。特に新生児のうち,注目され始めた生活力の薄弱な未熟児の哺育の問題については従来より種々研究が進められ,現在ではその届出制の実施と共に保温,酸素の添加,感染の予防等保育器の整備使用により或程度解決される様になつた。さらに各種の抗生物質の発見,使用やカロリー源としての糖,蛋白,アミノ酸製剤が用いられる様になつて一段と進歩を加えた。
 一般に未熟児は体蛋白質の同化及び吸収が不良である事が確認されており,従つて蛋白同化を促進する薬剤が重要な意義を持つ事となつた。この種の薬剤の研究は1935年Kochakian1)及びMur—lin男子尿エキスに窒素の蓄積作用のある事を発見してよりTestosteronとその誘導体が着目された。この目的に於て男性,女性混合ホルモンが使用され,殊にRuzickaが1935年に合成したMethylandrostendiol (M.A,D.と以下略す)が用いられて一つの新らしい光明を加え我が国に於ても佐々木3)4)6)7)9),坂倉8),赤須11),安藤12),その他数多くの報告が見られる。しかしM.A.D.はやはり男性ホルモンの系統である為に大量投与によつて何等かの男性化的変化を起す事が考えられて居た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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