座談会
腟鏡診の実際
著者:
安藤畫一1
栗原操寿2
長谷川敏雄3
林基之4
藤井久四郎5
増淵一正6
御園生雄三7
所属機関:
1慶応大学
2慶応大学産婦人科教室(癌クリニーク)
3日赤中央病院
4東邦大学
5東京医科歯科大学
6癌研附属病院産婦人科
7千葉大学
ページ範囲:P.708 - P.723
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司会(安藤) それではこれから座談会を寧ろ放談会と言つておるのですが,始めます。私が主催者の1人として御挨拶を申します。大体お願いする内容は予めこういう風な問題について,お願いできればというので,主催老側で少し僣越でありますが,きめておいたのでありますが,これにこだわることはありません。大体はこういう方面に話を進めて頂きたいと思つているのであります。本誌編集同人がこのテーマを選びましたのは,御存知の通り腟鏡診が婦人科では,非常に重要な日常診となりつつあるめであります。一般に癌には予防法がないから早期診断と早期治療との面で行くべきだというところに,子宮頚腟部癌だけには予防法が確立してしまつたのであります。その点においてまあ一つの牽制運動という意味もあるのであります。この問題は,欧洲では既に実用性になつているのでありますが,アメリカでは未ださほどに拡がつておりませんし,日本でもやつと昨年から声が出て来た状態であつて,またさほど広く拡がつていないのであります。今日はその方面のエキスパートの方々に出席して頂いて,今までの経験を何なりと放談的に,話して頂いて,これを一つの契機として日本においても,重大な診断法の声を強くして行きたい。こういうのが主催者側の意図であります。どうかそのお積りで自由に御遠慮なしに,お話をして頂きたいのであります。