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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻9号

1961年09月発行

グラフ

孵化鶏卵に於ける実験的胞状奇胎の作製

著者: 野嶽幸雄1 針ケ谷成夫1 田村昭蔵1

所属機関: 1慶応大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.729 - P.730

文献概要

 孵化鶏卵はVirus研究上重要な位置を占めている。先駆者は米国のGoodpasture (本年物故)と濠州のBurnet (本年度ノーベル受賞者,先日来日)である。私共はすでに奇胎,絨腫の全例,長期凍結保存材料,各種炉過液,超速遠心分画液のいずれについても卵膜上に於ける明確な腫瘤形成をみ,頻度は接種材料の純化に伴つて上昇すること,継代の可能なこと,組織学的病変は文献による非特異的反応,感染性Virusによる病変とは異り.Rous sarcoma virusによる病変とは近似するも,より未分化異型的増殖傾向の強いことも確認した。写真は破壊性奇胎材料のザイツ炉過液を孵化4日目卵の漿尿膜下腔に注入し.15日後開卵したもので,殆んど供試卵の全部に,羊膜・漿尿膜に亘り多数の嚢胞形成があり一見奇胎に彷彿する。一部に充実性腫瘤もみられる。示唆に富む所見である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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