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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻9号

1961年09月発行

文献概要

薬剤の臨床

帯下療法において副腎皮質ホルモン剤配合腟錠使用の意義

著者: 水野重光1 中村猪三郎1 富田昭二1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.753 - P.759

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はしがき
 ステロイド系ホルモンは微生物感染を促進する作用があるとされ,細菌,真菌,リッケチァ,ウイルス等の感染症,これらのうちでも特に結核症と真菌症等における誘発或いは助長の傾向は既に指摘されており,後者に関してはわれわれ1)も全身或いは局所(経腟)投与後,腟内に酵母様真菌が出現すること,並びに動物試験(マウスを使用)においてカンジダ培養例への副腎皮質ホルモン投与による死亡率の上昇を認めた。このように感染症にステロイド系ホルモンを投与すると生体防衛反応の阻害を来す欠点はあるが,他方このホルモンの有する別の作用,即ち滲出抑制,抗毒素,抗アレルギー,下熱等の顕著な作用を有するため,現在臨床上応用される機会が多く,ことに急性感染症に対してしばしば各種抗生物質と併用し,良好な成績をあげている。
 抗炎症性ステロイドは産婦人科領域でもその応用が次第に普及されて来たが,最近これを帯下,或いは外陰掻痒感を主症状とする腟炎,頚管炎等の治療に応用する試みがなされるようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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