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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻9号

1961年09月発行

薬剤の臨床

分娩後子宮復故に対するパルタン錠の臨床的効果

著者: 伊藤昭夫1 塚越正夫1 高沢勝英1

所属機関: 1群馬大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.780 - P.782

文献概要

はじめに
 分娩後,褥婦の全身が速やかに妊娠前の状態にもどる事は最も望ましいところである。殊に妊娠により肥大,伸展された子宮の復古は重要であり,その不全は細菌感染を招いて,重篤な産褥合併症の原因ともなるし,出血や悪露の排出を長びかす。また分娩時及び産褥中の出血量が褥婦の予後に重大な関係を有することも言をまたない。そのため分娩後子宮の収縮を常に良好にしておく事は褥婦の保健上最も大切なことである。従つて,その目的のために従来麦角剤,下垂体後葉製剤,硫酸スパルティン製剤などの各種の子宮収縮剤が用いられてきた。しかし小林1)によればスパチームのような一過性に作用するものや,エルゴクリン,麦角エキスなどのように子宮収縮力の弱いものを漫然と投与しても,褥婦の悪露量には著変を認め難く,且つ子宮内残留物の排除状況にも著差を認めないとされているので,産褥時に使用するためのより優れた収縮剤の出現が望まれる。
 最近子宮収縮作用を有するマレイン酸エルゴメトリンおよび硫酸スパルティンと止血剤であるビタミンK3およびアドレノクロム,更に鎮痛剤ピラビタールとを含有する製剤「パルタン錠」が作成され,好結果を得たとの報告を散見するので,私共も本剤を使用し,以下の成績を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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