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婦人科 帯下
帯下に対するカナマイシンDöderlein桿菌腟内併用療法
著者: 山崎秀治1 唐木田良成1 会沢正樹1
所属機関: 1国立相模原病院産婦人科
ページ範囲:P.12 - P.16
文献購入ページに移動帯下の原因は色々であり,その治療に就いても従来から様々な方法が行われて来たが,我々の外来を訪れる帯下を主訴とする患者について,その原因を追求すると,之を他覚的に証明出来ないこともあるが,大部分は微生物感染を認めることが出来る。この様な場合の腟内容中には特定の病原微生物乃至は雑菌が存在し,Doderlein桿菌(以下D菌と略す)は大体,減少或は消失しているものであるが,それ程減じていないこともある。この様な場合に適当な抗生物質或はサルファ剤を使用することは臨床上,必然的に有効であるが,之等薬剤の大多数はD菌に対しても強い抗菌性を有していると考えられるので,該剤の投与により病的腟内容性状を正常の状態に速やかに復帰させることは困難な訳である。我々は先に濾紙円板法に拠り各種抗生物質のD菌に対する抗菌力を検索して発表したが,その際にペニシリン(以下Pと略す)の抗菌性が最強で,カナマイシン(以下Kと略す)は広汎な抗菌スペクトルを有するのにも不拘,D菌に対しては極めて微弱な抗菌性を示すことを知つた。
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