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婦人科 ホルモン療法
17 α—Ethinyl-estradiol−3—methyletherの経口投与の臨床的観察
著者: 鴛海正平1 鈴木善忠1 田中勤也1 青木秀夫1
所属機関: 1金沢大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.23 - P.26
文献購入ページに移動エストロゲンは,ことに我領域に於ては,性ホルモン中最も古くから臨床応用されたものであるが,最近の製剤の力価の高い点や,デポー剤のゆきすぎた応用などで思わぬ副作用(たとえば月経周期の撹乱,消退出血など)を発生し,加えてエストロゲンと発癌との関係が必要以上に問題視されたことなどから,その臨床上の応用はむしろ後退の感がある。けれども女性器ことに子宮に対する作用や,女子の第2次性徴の発展に対してはエストロゲンがその中心をなすものであることに変りはなく,むしろホルモン製剤,使用方法あるいは適応症の選択などに,考慮が払われなければならない現状にあると思う。デポー剤は個人差があり,投与量に対して不慮の消退出血がある不便があり,更に従来の毎日あるいは隔日のエストロゲンの注射は,泌乳の停止などの特殊な場合以外はむしろ煩雑であり,この点経口投与が重用されてよいと思う。この目的に対して,エチニールエストラヂオオールが比較的多く用いられているが,消化器障害などが稀でない欠点がある。我々は今回次の如き構造式を有する17α—Ethinyl-estra—diol−3—methylether (以下EEMと略)の1錠中20γを含有するデボシン錠を入手し,これを臨床応用する機会を得たので以下その成果を記述する。
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