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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻1号

1962年01月発行

文献抄録

卵巣皮様嚢胞の発癌,他

ページ範囲:P.37 - P.37

文献概要

 文献では皮様嚢胞の癌化1.8%で,卵巣癌総数の1.5%にあたる。癌化は扁平上皮癌80%で大部分を占めるが,その他腺癌・カルチノイド・甲状腺癌・肉腫・メラノーマ等もありうる。著者はHarvard大学病理材料から8例の発癌を得た。51-75才の間で50才台が多い。扁平上皮癌4例(Gr.1-3),未分化癌1,滑平筋肉腫1,カルチノイド1,紡錘細胞癌1である。左右差なし。手術されたが,大部分数年後には死亡した。カルチノイドは64才で右側発生,1日20行の水様下痢便・腹痛・体重減少・下肢浮腫を訴えた。切除したが6年8個月後,心筋不全で死亡した。文献に卵巣カルチノイドは16例を数えるのみで珍らしい。滑平筋肉腫は70才婦人,右卵巣嚢胞(10×15)の中に2.1×9.0cmの腫瘤として発生,両卵巣剔除したが,3週後再発の症状あらわれ,死亡,骨盤内にひろく広がつた滑平筋肉腫であつた。以上8例はこの病理教室の卵巣皮様嚢胞462例の1.7%にあたる。皮様嚢胞の悪性化は発見がおくれ易いので注意しなくてはならぬ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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