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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻11号

1962年11月発行

産科症例 グラフ

帝王切開術後の急性腎不全症(血球素尿性腎症)

著者: 武田正美1 宮川コウ1

所属機関: 1岩手県立中央病院産婦人科

ページ範囲:P.815 - P.816

文献概要

 開腹術操作に続発したと考えざるをえない急性腎不全症(急激な無尿または血性乏尿,血圧の異常上昇,高窒素血症,高カリウム血症)は,産婦人科領域でも極めて稀ではあるが経験される。本例のごとく帝王切開術後にみられた急性腎不全症の成因は,未だに不明とされてはいるが,その多くは病理形態学的に血球素尿性腎症(By—water),または下方ネフロン腎症(Lucké)といわれる腎尿細管の選択的な病変に一致していることが知られている。本症の治療対策として,診断確定と同時に人工腎臓,血液交換,腎移植術,あるいは腹膜潅流法等が提唱されているが,簡単に実施できるものでなく,また何れもその効果は未だ低いようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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