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綜説
新生児皮膚温について—体温調節に関連して
著者: 塚本胖12 段塚昭朗12
所属機関: 1日本大学医学部産婦人科学教室 2厚生中央病院産婦人科
ページ範囲:P.823 - P.829
文献購入ページに移動生体の体温調節は骨骼,筋肉,肝臓などで営なまれる酸化作用の反応熱である体熱が,輻射,伝導,対流,蒸泄,排泄などで失なわれ,その生産と放散との両過程の間の平衡で維持されている。体熱生産の調節は主として化学的調節によつて営まれ,年令,環境,労作,食事などの影響を受けはするが,一個体については,主として物理的調節によつて行なわれる体熱放散よりは変動が少ないから,従つて体温調節には物理的調節の方が著しく影響するといわれている1)。いずれにしても,これら調節機序は神経支配を受け,主として交感神経に左右され,その最高中枢は間脳の視床下部に存在すると考えられている。新生児の体温調節機能は諸生理的機能,特に中枢神経の未発達とあいまつて非常に不安定であるから,体温はとかく環境温に支配され易いために従来より,その管理には充分留意せねばならぬとされている。
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