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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻11号

1962年11月発行

文献概要

産科症例 薬剤・1

妊娠悪阻のB-Z注の治療効果

著者: 貴家寛而1 小笠原二郎1

所属機関: 1福島医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.877 - P.880

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はしがき
 妊娠の最初の3カ月の間に悪心,あるいは嘔吐,または両者いずれをも自覚するものは妊婦の約半数あるといわれる。一般にこのような症状は劇しいものではなく軽微ではあるが,何んとなくうつとうしいという感じの障害であり,半ば"あきらめ"に似た気持で過す妊婦も少なくないようである。
 このような苦痛,あるいは不快感を緩和する目的で多くの治療法が古くから試みられてきたが,現在においては常に一定した効果を期待しうるものはなかった。例えばphenobarbital系の薬剤の如き鎮静剤,水分の摂取の制限とビタミンの補給などの療法が行なわれ,またかなり重症の場合には臥床,安静,鎮静剤,糖液の静注の如き方法が用いられてきておるが如きである。これらの方法はいずれもある程度の効果をあげることが可能ではあるが,効果が一時的なもの,あるいは全く反応しないものも少なくない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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