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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻12号

1962年12月発行

臨床 異常妊娠・1

卵管の内遊走によつて起されたと思われる卵管間質部妊娠の1例

著者: 武田正美1 宮川コウ1 宮川慶吾2

所属機関: 1岩手県立中央病院産婦人科 2岩手医科大学病理学教室

ページ範囲:P.935 - P.938

文献概要

はしがき
 卵管間質部妊娠は子宮外妊娠中でも僅少なものとされてはいるが5),近時本邦では人工妊娠中絶例の増加とともにその発生頻度もやや高まる傾向にある5)。間質部妊娠の成因についても,内外諸因子の組み合わせによると説明されてはいるが,とくに最近では頻回にわたる人工妊娠中絶の影響もまた軽視しがたいものと思われる。われわれは卵管間質部妊娠の1患者に遭遇し,その発生誘因として興味ある知見を経験し得た。すなわち本症例で特筆すべきことは,約3年前に子宮外妊娠による卵巣卵管剔出術を受け,その後3回の人工妊娠中絶術を経験し,しかも最近のものは子宮外妊娠の形をとり,剔出側の卵管間質部に相当しているという珍しい症例である。古来,着床妊卵の遊走性については外遊走と内遊走の2説があり,とくに内遊走を実証するに足る症例が甚だ乏しいとされているだけに,本例は貴重な資料と考え,とくにその点に着目して報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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