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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻12号

1962年12月発行

臨床 薬剤

ホスタサイクリンの開腹手術時腹腔内撒布法の効果

著者: 真田幸一1 緒方健次郎1

所属機関: 1三楽病院産婦人科

ページ範囲:P.955 - P.956

文献概要

緒言
 近時,我々の領域における各種感染症に対し,Tetracycline系抗生物質の静脈注射法が試みられるようになつたが,とくに産褥性子宮内膜炎,婦人科手術後感染症などに対する,Pyrrolidino—methyl-tetracycline (以下PRM-TCと略す)静注法の効果は顕著なものがある。さらに最近,開腹手術に際し,PRM-TCの腹腔内撒布が試みられているが,その抗菌スペクトラムの汎い点からみて,従来のペニシリン・ストマイ・サルファ剤などの腹腔内撤布に比し,より良好な成績が期待される。しかしながら一方,このような抗生物質などの局所的適用においては,これが術後腹腔内癒着形成を増す一因となるおそれもあるので,この点に充分な考慮を払う必要があろう。
 われわれはこのたび,PRM-TC剤として,Hoechst社よりホスタサイクリンの提供を受けたので,先ず少数例ではあるが家兎を用いて動物実験的に癒着形成の程度を検討したのち,産婦人科手術患者約30例にPRM-TCの腹腔内投与を行ない,術後感染予防効果,癒着形成の有無などを追及した結果,満足すべき成績を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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