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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻2号

1962年02月発行

産科 乳房

乳頭皸裂とHibitane creamによる治療成績

著者: 馬場太郎12 八神善昭12

所属機関: 1名古屋市立大学産婦人科 2名鉄病院

ページ範囲:P.121 - P.124

文献概要

緒言
 初期哺乳時に起り易い乳頭皸裂は,褥婦に対し新生児の吸啜により激しい疼痛を感ぜしめ,時には完全に授乳を停止させることがある他,この損傷部は応々病原菌の浸入門となり,産褥化膿性乳腺炎の最大誘因となる事は今や周知の事実である。更に又近年耐性ブドウ球菌の院内感染による乳腺炎の増加は,Schmidt1),Knörr2),Lauritzen3)等の指摘して居る如く注目すべきものがある。従つて乳頭皸裂に対する対策としては妊娠中より極力乳頭の表皮を強くする予防的処置を講ずる事は勿論,その治療に関しては上皮形成の促進を計ると共に特に乳腺炎の起因菌中最も頻度の高いブドウ球菌の感染防止に留意すべきである。飜つて乳頭皸裂の治療法に就てみるに,従来一般には焼灼法,塗布法等が行われて居り,最近ではA.C.Kunz4)はVitamin A,更にBauer5)はエストロゲンとVitamin A混和軟膏,柴山6)はエストロゲンとVitamin A.D.軟膏,加納等7)はVita—min B2の注射が効果的であつたとしている。又Brucke等8)は乾燥療法を推賞し,Hass,Jaschkeは太陽燈の照射を奨賞している現況である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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