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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻2号

1962年02月発行

文献概要

婦人科 感染症

8823R.P.によるトリコモナス腟炎の治療経験

著者: 松本道雄1 滝口洋司1 佐藤麻子1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.151 - P.155

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 1836年Donneによつて婦人帯下中に発見されたTrichomonas vaginalisは,Salisburg (1860)により婦人の尿中にも存在する事が確かめられたが,その病原性については永らく不明のままであつた。1916年Höhne1)がTrichomonasvagillalisが腟炎の原因になる事を確認し,その後本虫は腟のみならず,その近接臓器にも侵入して種々な病害をおよぼし,さらに男子の尿道にも感染して,しばしば尿道炎の原因となる事も明らかにされた。
 本虫の分布は世界的にかなり濃厚で,トリコモナス腟炎は婦人科疾患において高率を占め,その治療には種々の薬剤が,洗滌薬,腟坐薬あるいは内服として使用されているが,いかなる薬物によつても再発率が高く,根治困難な疾病として日常婦人科医の苦心するところである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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