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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻3号

1962年03月発行

文献概要

婦人科 腟感染症

腟カンジダ症に対する新らしい腟錠クロールダントイン(E−305)の使用経験

著者: 大輪太一郎1 工藤純孝1 齊藤喜一郎1

所属機関: 1千葉大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.215 - P.219

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緒言
 最近数多くの広スペクトルの抗生物質,及びスルフォンアミド剤の使用により,此れに感受性をもつ細菌は死滅され行くも,これに感受性の少ないカンジダやトリコモナスは逆に増加し,所謂菌交代現象が現われて種々の障碍がおこりやすい。真菌のSporesは以前よりも豊富に,より広範囲に存すると云われ1),又産婦人科外来を訪れる患者のカンジダ検出率は,貴家2)(1954)非妊婦18%,妊婦32.1%,水野(1955)15.5%,21.4%,青河(1957)17.6%,21.1%,志村(1960)17.5%,20.7%,水野(1960)13.4%,20.7%,高山(1960)10.6%,19.2%,Clark (1959)16.2%,27.3%等にして平均妊婦20.9%,非妊婦20.9%となつてかなりの高率を示している。
 Candida albicansの発生の要因として,妊娠,糖尿病,広スペクトルの抗生物質の使用等が主位を占め,腟の掻痒,帯下等を訴える婦人の大部分に於て真菌感染を疑うべきであろう。診察に際しては,定型的の症状を示さなくとも,カンジダ陽性の患者が多く認められるために,培養によつて検出することが必要であると痛感した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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