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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻3号

1962年03月発行

婦人科 悪性腫瘍

悪性腫瘍に対するマイトマイシンCの使用経験

著者: 福田透1 塚本隆是1 津田達雄1 前沢晴朗1

所属機関: 1信州大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.227 - P.230

文献概要

Ⅰ.緒言
 癌対策の最近の進歩は実に目覚ましいものがあり,その治癒成績は年と共に向上をみつつあるが,しかし尚今日でも如何なる強力なる照射療法,手術療法をもつてしても,それだけでは割切れぬ多くの問題も残されている。即ち局所療法による癌の治療は既に限界に近づきつつあり,何等かの全身的立場における癌の把握と治療とが要求されている事は言をまたない所であり,此処に全身療法としての抗癌剤,骨髄移殖等に対する大きな期待が寄せられる訳である。周知の如く近年各種の抗癌剤が続々登場し臨床的にも各方面より検討が重さねられているが,確実な効果と副作用の点で満足すべき製剤は残念ながら未だ少ない様である。
 最近新抗癌剤として注目されているマイトマイシンCは放線菌の一種Streptomyces Caespito—susより分離された青紫色樹枝状結晶で,(1)従来報告された抗癌物質中最も広い抗癌スペクトラムを有する,(2)副作用が従来のものにくらべて少ない,(3)他の化学療法剤に耐性を得た場合でもその効果を期待しうる等の特徴が挙げられており,内科,外科領域を始めとして多くの臨床成績が報告されている。我々も今回産婦人科領域の悪性腫瘍患者にマイトマイシンC (協和醗酵提供)の投与を行い,2〜3の観察を行つたので以下その成績につき報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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