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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻4号

1962年04月発行

文献概要

婦人科 子宮癌

「流血中の癌細胞」に関する研究の現況—特にその臨床的意義に就いて

著者: 安藤畫一1

所属機関: 1慶大

ページ範囲:P.261 - P.267

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序説
 流血中に腫瘍・殊に悪性腫瘍の細胞が出現する事実—腫瘍細胞血症(Blastscellulaemia)—だけは,既に昔から一部の研究者によつて発表され,腫瘍転移の発生機序を説明するの資とされていたが,最近5〜6年となり頓にその生体研究が進展し,それに伴つて多種の臨床的意義が強調さるるに至り今更の如くに識者の関心の的となりつつある。茲には癌・特に子宮癌を対象とした,研究の現況を綜合紹介して,一般産婦人科医諸君の参考に資することとした。
 癌腫・特に子宮癌腫瘤の形態的研究が組織学(hystology)から細胞学(cytology)に進み,更にその細胞学が先ずPaPanicolaouの創意による,「腫瘤より剥脱せる癌細胞」を対象とする剥脱細胞学(exfoliative cytology)となつて,癌検診上に多大の貢献をなし,今度新たに「流血中の癌細胞」を対象とする血液学的細胞学(hematologic cytology)が追加されて,癌診療上に重大な示唆を与えんとしているのは,正に刮目に値するものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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