臨床婦人科産科16巻4号

1962年04月発行

婦人科 子宮癌

わが教室における子宮頸癌の治療成積

著者： 姉歯皎¹ 大久保隆利¹ 駒幸男¹

所属機関： ¹東北大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲：P.268 - P.271

文献概要

Ⅰ．緒言
　子宮頸癌の治療法については，その予後と関連づけて考える事が重要であることは言を俟たない。子宮頸癌の手術療法及び放射線療法の限界又はその良否を論ずる場合にも永久治癒率即ち予後をfollow upする事により始めて云々出来る事である。従つて子宮頸癌の治療法とその予後についての報告は欧米及び我国に於ても数多くなされている。我教室でも子宮癌患者についての種々の統計を作成しつつ，その予後について慎重に観察を続けているが，今回は当教室に於ける昭和28年1月より昭和30年12月までの3年間に於ける入院治療患者の5年後遠隔成績を中心として，手術療法患者と放射線療法患者の比較及び術後照射との関係，リンパ節転移の有無との関係などについての成績を報告してみたい。なお昭和28年から昭和30年までの治療は篠田糺名誉教授御在職中に行われたものである。