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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻5号

1962年05月発行

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慢性妊娠中毒症の尿蛋白に対するオロチン酸クロロキン(キドラ)の効果

著者: 佐藤彰一1 多々良真1 相沢和郎1 中西陸1 中島浄1 栗原秀郎1 小武海成一1 鷲見昭1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.382 - P.384

文献概要

 近時晩期妊娠中毒症に対する治療法には種々なる薬剤が使用される様になり劃期的な変化を来し,重症例が稀れになりつつあることは産科医として喜ぶべきことである。然し妊娠中の中毒症の問題はこの様にその治療が比較的容易になつたのであり,又一応妊娠が終了すれば問題は解決した様に考えられるのであるが,分娩後において尚症状が残存することに関しての対策は必ずしも解決されているとは言い得ない。而もこれらの症状は比較的永く残存し患者並びに医師を悩ませることである。著者等は核酸系物質であるオロチン酸の誘導体オロチン酸クロロキンを慢性中毒症に使用し若干の成績を得たるにより,これを紹介すると共に報告する次第である。
 オロチン酸クロロキンとはオロチン酸にクロロキンを結合させた新物質でありその構造式はの様に複雑な形を構成している。そして白色結晶であり水に易溶であり,水溶液はやや,酸性を呈する,本剤はキドラとして提供せられ1錠中100mgを含有する。そしてその薬品の作用としてはオロチン酸の作用とクロロキンの作用とが相助けあつて作用するものであると考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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