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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科16巻7号

1962年07月発行

産科 中毒症

晩期妊娠中毒症について

著者: 福田透1

所属機関: 1信州大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.507 - P.512

文献概要

Ⅰ.緒言
 最近母性の保健指導の必要性が一般にも認識されつつあるが,その重要性は母性自体の健康の保持増進のみならず,次代の子孫の強化と言う面からもゆるがせにできない大きな問題であり,究極的には国民全体の福祉と保健の基本問題と云つても過言でない。実際的にも妊娠母体が虚弱であつたり,或いは各種の合併症が存する時には妊娠・分娩経過が不良な事が多く,又未熟児・虚弱児の主因となる他,流早死産等の可能性も強い事は従来よりも屡々強調されている所である。この様な大きな意義を有するにも拘らず,遺憾ながら我が国の母性衛生の現況は諸外国に比して決して満足すべきものとは云い難く,社会的条件を始めとして改善さるべき多くの余地が残されている。
 幸い未熟児対策に次いで母性衛生の面が漸次重点的に採りあげられ,諸対策の実施が計画されている事は我々としては真に喜ばしき限りである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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