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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻1号

1963年01月発行

研究・1

晩期妊娠中毒症の児の知的身体的発育

著者: 室岡一1

所属機関: 1日本医大産婦人科

ページ範囲:P.19 - P.25

文献概要

緒言
 最近産科学に関する種々な処置を児の遠隔成績から反省検討する試みがなされているが,妊娠に合併した種々の疾患についても児の遠隔予後からこれを追究するとその病態像を知る上に参考となり,新しい知見が得られるものと思われる。晩期妊娠中毒症は母体に合併する最もありふれた疾患であるだけに,そのものの児に及ぼす影響を知ることは実地上興味深い点が多い。
 今日まで妊娠中毒症の児に及ぼす遠隔予後を調べた成績は比較的少ない。これは児に影響を来す因子が数多くあつて,その中から妊娠中毒症のみの影響をとり出すことが困難だからである。しかし往時から子癇の児に新生児子癇がみられたという報告や,妊娠中毒症の胎児死亡の剖検例で,内臓に母体と全く同一の病理的変化を認めたという文献から,妊娠中毒症ではいわゆる中毒物質が児へも移行して,その知的身体的発育を阻止するのでないかとも考えられる。果してこのような事態が存在するか,私共の調べた成績と今日までの見解を併せてその趨勢を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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