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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻1号

1963年01月発行

文献概要

臨床と薬剤 癌治療

各種制癌剤使用の血液像に及ぼす影響ならびに白血球減少症に対するACTH-Z,副腎皮質ホルモンの効果

著者: 植田健治1 牛島陽一1

所属機関: 1佐賀県立病院好生館産婦人科

ページ範囲:P.85 - P.90

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緒論
 産婦人科領域の悪性腫瘍治療において制癌剤使用は補助的に行なわれるにすぎなかつたが近年癌化学療法の急速な進歩により外科的または放射線療法とともに全身療法たる化学療法を併用するのが常識となされつつある現況である。われわれは昭和34年5月より当科入院の悪性腫瘍患者に対し手術および放射線療法とともにナイトロミン,テスパミン,マイトマイシンC,マーフィリンの各種制癌剤による化学療法を併用している。これら制癌剤使用に当つては個々の症例に適した薬剤の選択と使用法の選定が大きな問題であり,薬剤の選択についてはCap法や伝研西岡のInk法が試みられているが,その判定が臨床上役立つかどうかは検討途上にあり現況では決定的な基準を欠き,また用法についてもこれまた未知の点が多い。また適量あるいは必要量の如きも一定せず臨床上全身状態を害しないように考慮しつつ使用されている状態である。制癌剤の副作用は放射線療法の副作用と同じく宿酔症状と造血臓器障害が主なものでその程度は放射線療法の場合よりも重篤である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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