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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻10号

1963年10月発行

文献紹介

ovarian dwarfism

ページ範囲:P.793 - P.793

文献概要

 下垂体腫瘍でFSH産生が障害されればhypogonadismになるのは当然で,その尿FSH排泄は減少している筈である。しかし,下垂体腫瘍症状が臨床的に全く見出しえない状態でhypogonadになる症例もあり,これは前者と機序が異ると思われる。動物では性腺または甲状腺を別除すると,その結果,下垂体に腫瘍が発生することが少くない。ヒトではCushing症候群で副腎全剔後に下垂体腫瘍が症状をあらわしてくることがある。本報は初め原発性hypogonadがあつて,その結果,下垂体に腫瘍があらわれたという症例を取扱つた。24才婦人。19才のとき原発性無月経性徴未発育で来院,尿gonadotropin 110 mouse uterine units身長4呎10吋。同胞9名何れも正常。視野・視力に異常なし。甲状腺やや小。内診で子宮著しく小。外性器小児様。ただしTumer症候群の症状はない。副腎甲状腺機能正常域。トルコ鞍レ線像はAP20mm,深さ12mm,面積250mm2。鞍後床不規則石灰化す。4年後(1961)の鞍所見ほとんど同様。diethylstil—besterol治療13個月つづけ,乳房かなり発育し,子宮出血がおこつた(尿GTH 21)のでdienestrol,Enovid,甲状腺末にきりかえ14月。その後15個月治療中止。その時トルコ鞍上記と変らず。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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