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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻10号

1963年10月発行

臨床 血糖測定

血糖測定法(百瀬法)の検討とその産科学的応用

著者: 浜田悌二1 蠣崎要1 失野良子2 大橋勝子2 太田紀代子2

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科学教室 2九州大学医学部薬学科薬品分析化学教室

ページ範囲:P.813 - P.819

文献概要

緒言
 血糖値の測定は古くから1)報告されているが,現在でも婦人科領域2)のみならず,妊娠糖尿および妊婦の糖同化能3)という点から産科領域では重要な問題のひとつである。
 血糖測定の方法に関しても,Bangの報告を初め極めて多くの方法が発表されている。現在採用されている主な方法としては,Hagedorn-Jensen法4),藤田—岩竹変法,Somogyi-Nelson法5)がある。Hagedorn-Jensen法は測定精度は優れているが操作,試薬の調製が簡単でない点や真糖の測定値より幾分高い値を示すという欠点がある。近年分光光度計を利用する方法としてSomogyi—Nelson法が採用され現在のわが国における代表的方法の一つとなつているが,試薬の調整や保存に不便を覚える難点がある。ここに最近血糖値測定法の一つとして百瀬6),7),8),9)による3.6—ジニトロフタル酸法が発表され,試薬の調整,保存が容易なこと,操作が簡単なこと,さらに測定精度も前2者に劣らぬ成績を示している。そこでわたくしたちの教室の血糖測定にもこれを採用する方針をたてるにあたり,従来の方法との比較検討を行なつた。さらに,従来産褥婦人の血糖値についてはまだ結論が明らかにされていないので,百瀬法により産褥期血糖について検討を試みた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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