icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻11号

1963年11月発行

臨床 臨床検査

日常簡単に行なえる血液型不適合妊娠のスクリーニング

著者: 水谷昭夫1 羽根周蔵1

所属機関: 1京都府立医科大学臨床検査部

ページ範囲:P.897 - P.900

文献概要

はじめに
 1939年Levin と Stetsonが,当時まだ発見されていなかつたRh因子(Rh式血液型は1940年Landsteiner と Wienerにより発見)による血液型不適合妊娠の臨床を観察して以来の20数年間,主として,欧米において研究を進められ,その有効なる治療法である交換輸血,すなわち人間の血の入れかえというドラマチックな手術をも簡単に行なえるようになつた今日,我々日本国内においてもようやくこの種の研究がさかんになり,習慣性流産,新生児の溶血性疾患,ひいては,一部脳性小児麻痺等の原因に対する有効な予防対策としての血液型不適合妊娠(以後不適合妊娠と略)の臨床検査が要望されるようになつてきた。我々日本国内においても不適合妊娠による不幸な事故が,今日迄にも相当数起こつていたと考えられるにもかかわらず,これに殆んど何の対策もなされなかつたのは,以下2つの理由からであると考えられる,すなわち, ① 不適合妊娠が,主にRh式血液型に限つて問題にされがちであり,Rh (—)という,いわば常に不適合妊娠の危険にさらされている婦人が欧米では全人口の15%という高率を占めるにもかかわらず,我が国での比率はわずか0.2%内外という低いものでしかなかつたこと。
 ② 不適合妊娠の臨床検査およびその治療対策が,非常に高価なものであるということである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら