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臨床 抗癌剤
絨毛性腫瘍に対する抗癌剤の効果—特に時期について
著者: 高見沢裕吉1 稲葉博満1 工藤純孝1
所属機関: 1千葉大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.946 - P.951
文献購入ページに移動絨毛上皮細胞(以下Trと略す)による疾患は,極めて多様性を示す。したがつてその治療効果についての判定もまた微妙な問題がある。絨毛性腫瘍の治療は,外科的に剔除できるものは摘出が第一である。しかし手術療法にも制約があり,病巣が,手術不能部位にあるものや,根治手術後フリードマン反応(以下フ—反応と略す)が長期間陽性を示すような例に対しては,手術放射線も施行困難であり,ここに抗癌剤がクローズ・アップされてくる。
絨毛性腫瘍に対する抗癌剤の治療は,近年多くの業績が発表されている。一般に抗癌剤の効果として,自覚症の改善,腫瘍の縮小,フ—反応の低下ないし陰性化,治癒等があげられるが,それが果して『抗癌剤の効果である』とはなかなか判定し難いのが現状である。絨毛性腫瘍に対する抗癌剤の投与は,その臨床病理所見よりして,投与時期方法によつてはさらに効果を増大する余地があり,この点を中心に私見を述べてみたいと思う。
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