文献詳細
グラフ解説
腎動脈撮影と妊娠中毒症
著者: 田坂晧1 松平寛通24 田中敏晴34
所属機関: 1東京大学医学部放射線科室 2癌センター放射線部 3東京警察病院産婦人科 4東大
ページ範囲:P.952 - P.955
文献概要
1929年にdos Santosが,経腰的腹部大動脈撮影(Translumbar Aortography)を始めてから,これによる腎動脈の造影写真が,腎疾患の診断に役立つことは広く知られていた。しかし最近数年の間に造影手技がいちじるしく改良されて,カテーテルによる腎動脈の選択的血管撮影(Selective Angiography)が前記の方法に代つて欧米で広く使用されるようになり,これにより一層完全な造影ができることが知られ,診断価値がさらに高く評価されるようになつた。
撮影手技を簡単にのべると,1953年にスェーデンのSeldingerが考案した経皮カテーテル法(Percutaneous Catheterisation)にしたがい,左右いずれかの股動脈を穿刺針で穿刺し,可橈性のGuide Wireをこの針を通して動脈内に入れ穿刺針だけを抜去する。次いでワイヤーに内径の合うカテーテルをワイヤーにかぶせて進め動脈の中に挿入する。ワイヤーだけを抜去するとカテーテルのみが血管の中に残ることになる。カテーテルはポリエチレンであるがX線を吸収する材質でつくられており,X線透視下で目的のところまでその先を進める。
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