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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻12号

1963年12月発行

連載 MY THERAPY in series・17

インスタント妊娠反応—PGテスト

著者: 磯野光志1

所属機関: 1国立世田谷病院

ページ範囲:P.967 - P.968

文献概要

 手軽で信頼のおけるインスタントな妊娠反応は,臨床医家のすべてが,希求するところである。妊娠反応は,妊娠に全く特異的で,迅速簡単しかも安価なことが理想である。絨毛性ゴナドロピンを証明する生物学的妊娠反応が,現在最も信頼しうる妊娠反応として臨床的に応用されている。しかし,これらの生物学的妊娠反応は,動物飼育の手間に加えて常に一定の条件の実験動物を準備する必要があり,操作が,煩雑で結果判定までに時間を要し,毒物の影響や個体差による成績のバラッキがあるなどの共通の欠点がある。最近になつて,これらに代るin vitroの絨毛性ゴナドトロピンの証明法が,簡易妊娠反応としてクローズアップされてきた。その原理は,血清学的原理に基づいており,高分子蛋白体である絨毛性ゴナドトロピンが抗原性を有することを利用して,これによる抗原抗体反応を応用したものである。一般に血清学的検査法を応用するには,そのホルモンがかなり純粋に精製できるものであり,実験動物に対し抗原性をもち,抗体を産生させる物質であること,そしてそのホルモンがえられた免疫血清との間にin vitroまたは,in vivoに観察可能な反応をおこす物質であることが必要である。そのような目的で,沈降反応重層法,補体結合反応,タンニン酸処置赤血球凝集抑制反応,溶血抑制反応,濾紙電気泳動法あるいは炉紙クロマトグラフィなどが応用されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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