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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻12号

1963年12月発行

薬剤・2

レシカルボン坐剤の使用経験について

著者: 真田幸一1 寺門運雄1 緒方健次郎1

所属機関: 1三楽病院産婦人科

ページ範囲:P.988 - P.989

文献概要

緒言
 われわれ産婦人科医が,妊婦,産褥婦および手術術後患者等に便秘を訴えられることはしばしばである。便秘にはその発生原因によつて緊張減退性便秘および緊張亢進性または痙攣性便秘とに大別されるが,今日ではその大部分が大腸運動の障害にもとづくと考えられている。従来われわれは,便秘の治療法として,1)食餌療法。2)理学的療法(特にグリセリン,食塩水,石鹸水等による浣腸療法)。3)薬物療法(植物性下剤としてヒマシ油類,塩類下剤としては硫化マグネシウム,さらに最近ではジオクチルソジウム・スルフォサクシネート(D.S.S.)を主成分とする製剤,また攣縮性便秘にはアトロピン剤)。等を用いているが人によりその効果はまちまちで時には腹痛を伴なう下痢をきたす場合をも認める。また浣腸は不快感を伴ない嫌われることが多く,これを永続反覆すれば腸炎を起こす恐れもある。Glaessner(1932)によれば腸蠕動に対する刺激を誘発するものは腸管内に存在する炭酸ガスであり,通常炭酸ガスの多くは小腸内において発生し小腸内で呼吸され小腸の蠕動をうながすが,大腸内にも38%〜48%の炭酸ガスが認められる。直腸内に存在する炭酸ガスは拡張反射による排便刺激を起こし,この刺激はS状結腸に対して作用しHolzknecht運動を起こす。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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