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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻2号

1963年02月発行

文献概要

講座 手術と適応

2.子宮筋腫の手術

著者: 真田幸一1

所属機関: 1三楽病院産婦人科

ページ範囲:P.150 - P.151

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手術を決定する根本方針
 子宮筋腫に対する治療方針をえらぶ場合,ほとんど手術的療法が採用されるようになつた理由は,(1)腫瘍を取りのぞくという原因療法的な意味では手術がもっとも確実であること。 (2)筋腫は良性の腫瘍であるため,手術により摘除されれば再発のおそれはほとんどないこと。 (3)子宮そのものが個体の生命維持に必須の臓器ではないこと—従つて少なくとも一側の卵巣を温存すれば生殖年令にある婦人でも重大な生理的障害を遺すおそれが少ないこと,などであろう。今日,われわれ婦人科医にとつて,子宮筋腫の患者に手術を行なうことは極めて常識的かつ容易な手段であり,場所と一定の設備に恵まれればいつでも気軽にメスをもつ気持になりやすい。しかし,一口に子宮筋腫といつても,正常子宮がやや硬度を増したかといういわゆる筋腫性子宮(uterūs myo—matosus)のようなものから,妊娠末期ほどもあろうかと思われる巨大筋腫までさまざまな大きさがあり,またその発現する症状も極めて多彩であつて,一概に一定の術式のみを常用するわけにはいかないし,また中には内診で明らかに子宮筋腫と診断できるような場合でも,患者自身にとつては全く無症状に経過するものもあつて,かかる場合に果して手術を行なうことが妥当かどうか,はなはだ迷う場合もあり得ると思う。
 そこで先ず私が日常基準としている子宮筋腫手術決定の根本方針を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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