icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻3号

1963年03月発行

グラフ

子宮体部癌発生実験—ハツカネズミ子宮角に20—メチルコラントレン糸を挿入して

著者: 大阪大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.189 - P.190

文献概要

 20—メチルコラントレンとビーズワックスとを1:3の割合に混合したものを,12番カタン糸に浸透させ,これを独自の方法で,ハツカネズミの右側卵管角に挿入固定し動物を一定期間餌育することにより子宮角に腺癌を発生させるのに成功した。本例は20—メチルコラントレン糸挿入後18週で犠牲に供したハツカネズミに見られた腫瘍である。右子宮角は,1.0×2.0×2.5cm大の結節性腫瘤を形成,後腹壁と癒着し,同側の尿管を圧迫して,腎水腫を発生させていた。腫瘍の組織像は第2図に見るような腺癌で,腫瘍細胞は1〜2層に配列して大いさ,形共に不規則な腺腔を形成し,異型性にとみ,核分裂像も認められる。腫瘍組織は脊椎骨骨膜にまで連続して侵入増殖し,第3図に示す如く,所属リンパ節転移を認めた。左子宮角には,ビーズワックスを浸透させた糸を挿入した。第1図に見るように,太くなつているが,腫瘍は発生しなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら