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人絨毛細胞の電子顕微鏡的観察
著者: 大阪大学産婦人科学教室
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ページ範囲:P.271 - P.272
文献購入ページに移動 妊娠第12週目絨毛細胞をMethacryrate包埋法を用い,電子顕微鏡により観察を行なつた。基本構造はSyncytium細胞(S細胞),Langhans細胞(L細胞),基底膜,間質細胞,胎児側毛細管である。S細胞はMicrovilliを有し,多数の嚢状小胞体が特徴であり,各種organellaがみられる。L細胞はおのおの明瞭な細胞膜を有し,約1500Åの厚さの基底膜に接している。細胞質内には糸粒体,Golgi装置,発育の悪い小胞体を認めるほか,径200〜400ÅにおよぶGlykogen顆粒が集団的に存在する像がみられる。基底膜は2層状に見え,電子密度の高い層は著明なinfolding像を呈している。基質内には線維芽細胞を始め星状の間葉細胞ならびに胎盤におけるMacrophageであるホフバウエル氏細胞を認める。絨毛中心部には胎児側の毛細管を形成する内皮細胞が赤血球を囲んでみられる。
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