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提言 PROPOSAL
Gynecological Urology—その考え方と主張
著者: 遠藤幸三1
所属機関: 1国立金沢病院産婦人科
ページ範囲:P.275 - P.276
文献購入ページに移動 Gynecological urologyという語のニュアンスから容易に理解できるように,これはGyne—cologyととくに関連のあるUrologyの領域という意味である。正確にはGynecological and obstetrical urologyと称すべきである。泌尿器は,産婦人科と極めて関係が深い。婦人性器と泌尿器は,骨盤腔で互に密接して位置するという解剖的関係によつて,多数の泌尿器疾患が,婦人性器の異常と,因果関係をもつている。産婦人科医は性器のみを対象とするので,泌尿器異常についての智識も浅薄で,また関心が少ない。泌尿器科医は婦人科的原因による泌尿器異常の成立過程については,専門外であるから,智識は概念的たるを免れず,深い洞察に欠ける点があると思われる。両専門科のもつこのような弱点が,Grenzge—bietの進歩をはばんでいると私は考えている。
膀胱は婦人科で取扱われることが多いが,腟,子宮頚部の慢性炎症との関連が大きい。帯下が外陰から尿路に侵入して発病するほかに,直接淋巴道を介して,膀胱壁に波及する場合を考えねばならない。慢性頚部炎が持続すると,子宮傍組織の硬化,すなわちParametritis chronicaを起すが,同様の機転で膀胱周囲の結合織に炎症がおよび,Dysuria (尿意頻数,排尿痛など)の原因となる。膀胱炎の治療に当つては,性管の炎症の存在に留意しないと,完全な治療はできない。
膀胱は婦人科で取扱われることが多いが,腟,子宮頚部の慢性炎症との関連が大きい。帯下が外陰から尿路に侵入して発病するほかに,直接淋巴道を介して,膀胱壁に波及する場合を考えねばならない。慢性頚部炎が持続すると,子宮傍組織の硬化,すなわちParametritis chronicaを起すが,同様の機転で膀胱周囲の結合織に炎症がおよび,Dysuria (尿意頻数,排尿痛など)の原因となる。膀胱炎の治療に当つては,性管の炎症の存在に留意しないと,完全な治療はできない。
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