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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科17巻4号

1963年04月発行

文献概要

新生児・1

Effortilの胎児心機能並びに新生児仮死に対する臨床効果

著者: 蠣崎要1 安部礼子1 浜田悌二1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.309 - P.320

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いとぐち
 Effortilの昇圧作用はSympatholと同様であるが,その効果は強力であり,作用の発現が緩除であり,持続時間も長い。従つて薬理的にはad—renalinとは異なつている。また,右心房内圧の変化や心臓の循環について実験観察を行なつた結果は,此較的少量の投与で心臓の活力を増強することが証明されている。大量投与によつてもなんら不快な副作用はないことが特徴とされている。
 成人に対しては,Effortilが心臓や末梢血管に対して調和のとれた作用をなし,心臓血管系の機能試験によつて心搏出量および分時搏出量の増加を認め,しかも,心搏数になんらの変化を伴なわずに心臓活動を増加する。一方Effortilの投与によつて細動脈の潅流が良好になり,末梢血管抵抗が減少する。この薬剤の投与による静脈圧の上昇や循環血液量の増加は,血液貯溜臓器からの血液の流出が旺盛になることを示している。従つて,毛細管,細動脈および組織の内圧は上昇する。交感神経系に属するadrenalinの誘導体としてのEffortilはadrenalinやEphedrinと共通する薬理作用を示すが,全く副作用がない。成人にあつては治療量の投与では心電図にも認むべき変化もなく,治療量の6倍量を投与してもわずかな,無害な一過性の変化を認めるだけであるといわれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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