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子宮体部転移性腺癌の手術後胃癌が発見された1症例
著者: 大阪大学医学部産科婦人科学教室
所属機関:
ページ範囲:P.369 - P.370
文献購入ページに移動 患者は44才,2回経産,3年前胃潰瘍で大量の吐血をしたことがある。4カ月前より性器出血があり来院した。初診時,子宮は稍々大で,子宮筋腫および腔部糜爛を指摘されたが,念のため,子宮内膜の組織検査を行なつたところ,腺癌(恐らく転移性)と診断された。クルーケンベルグ氏腫瘍をも予想し広汎性子宮全剔除術を行なつたが,卵巣は肉眼的に著変がない。剔出標本を組織学的に検索したところ,子宮体部,頸管,腟部粘膜および筋層,左右卵巣,下腹およひ腸骨リンパ節など,予想以上の広い範囲にわたり主として印環細胞よりなる腺癌組織の転移巣を認めた。
既往歴より,胃潰瘍に続発した胃癌が原発巣であろうと考え,胃のX線撮影を行なつたところ,果して胃癌と診断するに充分な所見が得られた。
既往歴より,胃潰瘍に続発した胃癌が原発巣であろうと考え,胃のX線撮影を行なつたところ,果して胃癌と診断するに充分な所見が得られた。
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