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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻1号

1964年01月発行

研究 中絶と流産

人工妊娠中絶と流産との関係

著者: 渡辺金三郎1 大池哲郎1 飯田茂樹1 大平孝道1 中西正美1 岡野茂喜1 花沢勇1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.37 - P.42

文献概要

I.緒言
 本邦においては,産児調節のため,金妊娠の20%余に行なわれている人工妊娠中絶術に対し,近時本手術に対する影響が,各方面で問題視されている。すでにわが産婦人科領域においても,人工妊娠中絶術後の妊孕状況の観察から不妊を主とした各種の障害が多数報告され,本手術の乱用が警告されている現状である。
 しかるにまだ本手術が多く行なわれているのは,本邦婦人の無自覚もさることながら,自覚的に何等異常を認めなかつた人工妊娠中絶後における妊孕状態のうち自然流産との関係についての調査が,不十分であるからである。よつて我々は,この関係を明らかにすべく,先に行なつた宿題報告の際の,習慣性流早産の定義ならびに頻度を決定するため,特別に収集した多数の調査材料につき,特に,自覚的に異常も認めなかつた人工妊娠中絶後における妊娠と流産との関係を統計的に考察し,母性保護上に資すべき若干の知見をえたのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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