文献詳細
--------------------
文献概要
午前1時,患者の見廻りを一通りすませた看護婦Kさんは,重症患者もいない今日の深夜勤,安静のうちにすぎるような予感がして,幾分緊張のほぐれるのを感じた。それから小1時間,そこだけか明るい看護婦室の中でこKさんの影法師は,あつちゆらり,こちらへゆらり,短かくなつたり長くなつたり,静寂の中に動いていた。
午前2時,電話だ。深夜になりひびく電話のベルは,何となく無気味である。
午前2時,電話だ。深夜になりひびく電話のベルは,何となく無気味である。
掲載誌情報