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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻10号

1964年10月発行

研究 前置血管

前置血管について

著者: 杉本修1

所属機関: 1北条病院産婦人科

ページ範囲:P.773 - P.776

文献概要

はじめに
 前置血管(Vasa previa)とは字義どおりに解釈すれば,分娩に際し,児先進部の下方において,臍帯血管が内子宮口を横切つている状態であるが,産科学上本症が問題になるのは,分娩時,子宮頚管部の仲展および児先進部の下降に伴つてこの前置血管が機械的圧迫をうけ,更に進めば断裂をきたすなど,児の予後に重大な影響を与えるためである。
 本症はLobstein (1801)が卵膜附着臍帯と出血による胎児死亡の関係を最初に記載して以来現在に至るもその報告は100例に充たない。私は最近本症の2例に遭遇し,1例は腹式帝王切開術,他の1例は鉗子手術によつて生児をうることができたので,本症の概略を述べ,その症例を附記することにした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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