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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻11号

1964年11月発行

文献概要

薬剤 妊娠診断

妊娠診断スライド法の検討

著者: 青島雄吾1 伊藤光雄2 山田道生2

所属機関: 1国立東京第一病院生化学 2国立東京第一病院産婦人科

ページ範囲:P.899 - P.907

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はじめに
 一滴の尿で,その場ですぐ妊娠の有無を診断することは産婦人科医の夢であつたが,近年免疫学的妊娠早期診断法の研究が急速に進み,1960年にはWide&Gemzell1)はヒツジ赤血球を用いる凝集阻止反応によつて,Brody&Carlström2)は補体結合反応で,McKean3)は沈降反応法で妊娠の血清学的診断を試みた。Wide&Gemzell1)の方法はヒツジ赤血球にHuman Chorjonic Gona—dotropin (以下HCGと略す)を吸着させ,抗HCG血清と凝集反応が起こるのを,あらかじめ抗HCG血清を妊婦尿中HCGで中和しておくと,その凝集反応が見られなくなる原理によるもので,臨床的にも良い結果を報告4)5)している。その後Robbinsら6)はヒツジ赤血球の代りにPolystyrene latex粒子を用いて,Latex凝集阻止反応を試みた。しかしこのPolystyrene latex粒子を用いる試験管法も,合計3時間の定温孵置,遠沈等の操作が必要であり,遠沈の条件により判定に動揺がある等未だ最良のものではなかつた。しかるに最近やはりLatex粒子の凝集阻止反応による妊娠診断スライド法が考案せられ実用化7)されるにいたつた。
 私たちは最近この妊娠診断スライド法Gravin—dexを入手し,いろいろ検討したのでその結果を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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