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臨床婦人科産科18巻12号

1964年12月発行

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頸管と精子

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ページ範囲:P.950 - P.950

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 Reid, B.L.:The behavior of human sperm toward cul—tured fragments of human cervix uteri Lancet 7323:21-23, Jan, 4, 1964.
 卵子を授精しなかつた精子はあまり注意されないが,Kohlbrugge(Arch, F.Entwick-Mech, Org.35:165, 1912),Austin (Natutel83:908, 1959)によると獣類では精子が頚管上皮を穿透し上皮内に入りこむ像を見るという。してみると異種核酸が雌性性器に入つて遺伝的・免疫学的の意味をもつ可能性があろうかとおもわれる,箸者は分娩後の頚管を生検で取り,medinm199で37℃,15-24時間培養。この中へ精液0.5cc (精子1-4000/ml)を加えた。上皮は分娩後なので円柱上皮,扁平上皮,メタプラジー期を混じた。円柱上皮では細胞間に精子が入り,上皮下層に達している像が3%ほどである。扁平上皮にはそういった像はない。メタプラジー上皮では75%の高率に,細胞内または細胞間に精子侵入がみとめられた。細胞内では精子の周囲に1μの空泡がみられ,精子頭部には破壊がみられる。培養でない生検標本では,メタプラジーの過程に,精子が入りこんだ上皮下層に,γ—glを産生している形質細胞の集積がみとめられる。丁度この期のメタプラジー細胞は急速に成長して新しい扁平上皮をつくる状態になる。したがって個有DNAの新しい合成,異種DNAの破壊が密接な関係で行なわれるわけで,これが遺伝的にいかなる意味をもつか検討がのぞましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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