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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻12号

1964年12月発行

文献概要

薬剤

産婦人科領域における止血剤Reptilaseの使用経験,ことに機能性子宮出血に対する治療成績

著者: 斉藤幹1

所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.975 - P.979

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はじめに
 機能性出血の原因は体内における性ステロイドホルモンの異常な推移,消長による子宮内膜出血であり,内膜を中心とする病理組織学的の研究,内膜発育に関連をもつエストロゲン,プロゲステロンを主体とする性ホルモンとの関連性の解明およびその治療成績の面にはいちじるしい進歩が認められている。しかし出血の一般概念である血液凝固の機序からの研究は未だその途上であり,子宮内膜という特殊組織からの出血についての止血機転,最適と考えられる止血剤の選択などの点については明確な結論はえられていない。機能性出血以外にも産婦人科領域では出血を主徴とする疾患が多く,したがつて止血の問題は臨床的に非常に重要な事項となつている。私は止血剤の1種であるレプチラーゼの使用経験より以上の点を考案し,分娩に直接関係する出血を除けば,産婦人科領域における止血剤としては凝固の第1相に作用する薬剤と,毛細血管壁補強作用をもつ薬剤または抗プラスミン剤との併用投与が有効であるという推論に達した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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