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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻4号

1964年04月発行

研究 未熟児出生

未熟児出生に及ぼす社会環境的因子の影響

著者: 西尾雅七1 藤本暁1

所属機関: 1京大公衆衛生学教室

ページ範囲:P.273 - P.278

文献概要

 未熟児および早産児の予後の状況をみると,周産期以後の取扱いに全力をそそぐことのみが未熟児早産児対策であつてはならぬとの感をいだく。
 AnoxiaおよびHypoxiaを主体とする子宮内死亡,頭蓋内出血で代表される分娩時障害による死亡,さらには肺換気異常による死亡など,いずれも未熟児,早産児に高率であることは衆知のところであり,また未熟児,早産児に多発する頭蓋内出血や核黄疸などの予後不良のものを除外した対象についての乳児期以後の発育に関する経続調査からも,一部の楽観的な意見を除いては,未熟児および早産児は身体的発育のみならず精神的発育に関しても成熟児に比べて多大のHandicapを持つていることが報告されている。したがつて未熟児および早産児は周産期,乳児期,さらにはその後の発育段階を通して,常に生命の危険にさらされる度合が成熟児に比してきわめて高く,またその間大きな身体的,精神的不利益を背負つている以上,これの出生を予防することが,したがつて未熟児の生れることを予防する努力こそ未熟児対策の正しい姿だと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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